第2回公演

 

 

           東京中国歌舞団漢宮秋月公 演

                〜陽二蓮 歌の世界 in 東村山〜

 

 

            日 時: 平成27年10月16日(金) 午後6時30分開演

            会 場: 東村山市富士見文化センター・ホール

            出 演: 東京中国歌舞団 陽二蓮(歌)、劉錦程(揚琴)、蒋(琵琶)

            主 催: 東村山市文化協会、東村山市日中友好協会

            後 援: 東村山市、東村山市教育委員会

 

        プログラム

        第一部 春江花月夜(古曲、琵琶・揚琴)、蝶恋(古曲・楊貴妃の歌、歌・琵琶・揚琴)

            但願人長久(漢詩、歌・琵琶・揚琴)、十面埋伏(古曲、琵琶独奏)

            陽関三畳(古曲、歌・揚琴)、脂泪(漢詩、歌・揚琴・琵琶)

            茉莉花(中国江南地方民謡、歌・揚琴・琵琶)、夜来香(歌・揚琴・琵琶)

        第二部 皆で歌おう 赤とんぼ、里の秋(日本唱歌、揚琴・琵琶)

            母の月(オリジナル曲、歌・揚琴)、アメイジング・グレイス(歌・揚琴)

            春雨(中国江南地方、琵琶独奏)、紫竹調(中国江南地方、揚琴・琵琶)

            希望的田野上(現代中国歌謡、歌・琵琶・揚琴)

            皆で唄おう 大海・故郷(現代中国歌謡、揚琴・琵琶)、故郷(日本、揚琴・琵琶)

 

        出演者のご紹介

        東京中国歌舞団の劉錦程(リュウキンテイ、団長、揚琴演奏家)さん、陽二蓮(ヤンアーレン、副団長、声楽家)さん、

       蒋(ジャンティン、琵琶演奏家)さんは、それぞれ中国で音楽理論、声楽、器楽などを専攻されたのち、演奏活動や

       研究活動に活躍されてこられました。その後、日本でも音楽活動を展開され、その活躍ぶりはNHKテレビ放送でも広く

       紹介されています。

        劉錦程さんは、1982年に東京中国歌舞団を設立され、東京音楽大学で作曲を学んだのち、日本の名曲をアレンジして

       中国の音楽雑誌に発表されています。また、中国音楽気功療法の研究を長年続けられているほか、「日本人残留孤児の中国

       養父母慰問公演」を中国東北三省の八大都市で20年にわたり実施されてきました。

        陽二蓮さんは、上海歌劇院で声楽を学んだのち、1993年からは日本で毎年リサイタルを開催されています。「日本人

       残留孤児の中国養父母慰問公演」にも歌手として参加されており、数多くのアルバムCDなども発表されています。

        蒋さんは、7歳から琵琶を学ばれて北京中央音楽学院を最優秀成績で卒業後、同大学院で琵琶を専攻されました。中国

       民族音楽の最高水準にある全国コンクールでは最優秀賞を受賞され、その後、ソリストとして日本各地で公演されています。

 

 

 

       開会にあたり、主催団体を代表して山川昌子会長(写真下・左)が挨拶し、また、この会を後援された東村山市の渡部尚市長

       (写真下・右)からお祝辞をいただきました。

 

             

 

       出演された東京中国歌舞団の陽二蓮さん(写真下)からは、挨拶と歌舞団の最近の活動や、日本では聴く機会が少ない

       楽器、中国の揚琴と琵琶の音色や特徴についてご紹介をいただきました。

 

                        

 

       中国の揚琴は、鋼の144本の絃を2本の竹バチで叩くことによって、約4オクターブの広い音域で軽快な音を

       つくりだす楽器で、ピアノとやや似た構造をもっています。

       中国の琵琶は、金属の4本の絃を手の指先に付けた義爪ではじいて音を出す撥絃楽器です。

 

 

 

 

 

     

 

       第一部では、中国宮廷の古曲、唐の玄宗皇帝時代の楊貴妃の歌、盛唐時代の王維の詩、宋時代の漢詩など、おもに、

       中国の歴史の流れとともに創られてきた詩歌が、揚琴と琵琶の音色とともに歌われました。

       「春江花月夜」は、中国の宮廷で雅な舞とともに奏でられた響きで、美しい春の宵、月光を映す川面、両岸で風に

       そよぐ花など、舟遊びに興じる人々の情景を揚琴と琵琶により描きだします。

 

           

 

                   

 

 

 

       古曲「蝶恋」は、唐時代に玄宗皇帝の寵愛を一身に受けた皇妃・楊貴妃が、のち、兵に責められて死を覚悟、梨の花が

       散るもとで、国と皇帝への永遠の愛を胸にして、その悔しさを語ります。

 

           

 

 

 

       中国の古曲「十面埋伏」は、琵琶の代表的武曲でもあり、紀元前202年の中国史上で有名な劉邦と項羽の最後の戦い、

       「十面伏兵」をテーマとした曲です。漢軍の伏兵から垓下の決戦、項羽の敗陣にいたるまでの戦場の様子が描写され、

       蒋さんの琵琶独奏は、ときに激しい絃さばきを伴ない、様々なリズムによりこの情景を活々と表現されました。

 

                   

 

   

 

 

 

       中国の古曲「陽関三畳」は、盛唐の詩人・王維の「送元二使安西」と題する詩です。

       朝の雨が柳を潤し、ひときわ青々と鮮やかになり、さらに一杯の酒を友に勧める、

       西のかた、この陽関を出たら、もはや友もいないであろうから・・・。

       友を西方へ送る寂しい心情を揚琴の音とともに詠い、友との別かれを惜しみます。

 

                   

 

   

 

           

 

 

 

       第一部の最後は、中国の歌謡曲、李香蘭のヒット曲でもある「夜来香」。多くの人々に歌われた懐かしい恋の歌です。

       哀愁感を湛えた揚琴と琵琶の音色が、もはや過ぎ去り、誰にも戻ることのない時間の香りを懐古させます。

 

           

 

                   

 

 

 

     

 

       第二部では、誰もが知る日本の愛唱歌や世界の名曲、陽二蓮さんのオリジナル曲「母の月」、中国江南地方の調べ、

       現代中国の歌謡曲など、多彩で楽しいプログラムが組まれました。

       第二部の始まりは、日本唱歌の「赤とんぼ」と「里の秋」。

       揚琴と琵琶の伴奏のもと、会場に来られた皆さんが一緒に斉唱しました。

 

           

 

 

 

       陽二蓮さんのオリジナル曲「母の月」は、作曲家・三木たかしさんが曲を付けておられます。

       「母の月」、それは我が子が歩む道を願い、信じつつ、空にかかる月をのぞむ母の心を謳いあげます。

       この日は揚琴の伴奏のもとに披露されました。

 

   

 

                   

 

           

 

 

 

       「春雨」は、中国江南地方の春雨のなかの美しい自然を描写しています。

       春雨が静かに音もなく降りそそぎ、滴は次第に透明な光を増し、やがて驟雨が降りしきります。

       雨も過ぎ去り晴れわたる空、地には爽やかさと清々しさの気配が漂ってゆきます。

       蒋さんの独奏琵琶は、こうした情景をトレモロなど、多彩な技巧で描写してくれました。

 

   

 

 

 

       第二部が終了し、客席からの拍手喝采にアンコールで応えられたあと、陽二蓮さん、劉錦程さん、蒋さんへ花束が贈られ、

       陽二蓮さんと劉錦程さんから答礼のお言葉をいただいて、楽しかったひとときは名残り惜しくも閉幕となりました。

 

          

 

                   

 

                            

 

 

 

 

 

   (写真撮影・横井時信)

 

 

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